クリスチャン・オジャ―ルは今年で50周年を迎えます。
約半世紀にわたるブランドの歴史を振り返ってみると、今見ても魅力的なものがたくさんあることにビックリします。
このシリーズでは、さまざまな資料や写真を通して、クリスチャン・オジャールの歴史をひも解き、お届けしていきたいと思います。
お届けするのは、「クリスチャン・オジャール 歴史探偵」の氣駕マサヒコです。
楽しみにしてくださいね!
さて、今回は続編のスタートです!
あの伝説のモデル、山口小夜子さんがクリスチャン・オジャールのパリ・コレクションに出演していたという、
驚くような情報キャッチの後編です。
調査を続け、探偵のパワー全開で写真を探しましたら、古いアルバムが棚の奥から・・・・・
なんと、さらに見つけました!!
会えましたよ、もっと多くの小夜子さんに。
まずは、この写真から。
小夜子さんのアイキャッチでもある切れ長の目を強調するメイク、チークの位置と真っ赤なリップが特徴の1枚!
リップの色と合わせた、ネイルの色も当時のトレンドを思い出せますね。
なんといっても、オジャールのVネックのニットが相性抜群です。
毛足の長いシャギーニットみたいです。
ゴールドのラインが、イナズマのように入り、このラインで色が2色に分かれていますね。
このラインは袖まで続いています。
袖のラインでも2配色切り替えになっているなど、細かいデザインで、作るのも手間がかかりそうな1枚です。
この時のスタイリングはピンク系で合わせていますね。
全身コーディネート写真が、こちら。
サテン地でしょうか、落ち感のあるパンツルックが素敵です。
さて、山口小夜子さんについて、ちょっとお話させてくださいね。
彼女をプロモデルとして起用したのは、あの山本寛斎さまでした。
1971年、彼のロンドン初の日本人ショーで成功後、当時のアヴァンギャルドショップ「カプセル」で開催された凱旋ショーが始まり。
1972年にザンドラ・ローズの東京ショーでメインに抜擢されたのを、きっかけにジャン・マリー・アルマンのオートクチュール・コレクションに出演しました。
1973年には、三宅一生さま初のパリ・コレクションに出演、以降は高田賢三さまなどの日本人デザイナーと共に歩んでいきます。
トップモデルに駆け上がった山口小夜子さんは、1974年の「ニューズウィーク」誌で「世界の4人の新しいトップモデル」とまで称されます。
1973年から1986年まで、資生堂のモデルとして数々のポスター等のヴィジュアルで有名でしたから、どこかで必ず目にしているはずですよ!
さらに、もう1枚!
ジャケットにコサージュ、セミタイトなスカートがきれいなラインを出しています。
マニッシュなのにエレガンス、女性らしい優しい袖のラインが特徴的です。
スカートも裾先のスリットが新鮮で、動きやすく活動的な女性にピッタリ!
また、ボリュームのあるブレスレットが、素敵ですね。
スタイリングもハットとコサージュ、シューズをホワイトで、スカートとベルトをグレーで合わせています。
次は、鮮やかなドレスルックをどうぞ!!
プリーツをほどこしたようなラインで、アシメトリーに見えるホワイトのドレスルック。
イヤリングとブレスレット、シューズのゴールドが、ラグジュアリーなムードを引き出します。
オートクチュールのようなドレスですね!
前手の記事「新しい時代の4人のトップモデル」が出た頃は、モード界がオートクチュールからプレタポルテに移り変わっていく時代でした。
この時のインタビューで、山口小夜子さんは以下のように、語っています。
『何を着たいかと尋ねられたら、リラックスできる着心地のよいものと答えるわ。私は、自分にあったものを自由に選びたい、ただそれだけ。』と。
まさに、クリスチャン・オジャールのキャッチフレーズの、ボン・グーにピッタリのコメントでしたね!!
今回の記事お楽しみいただけたでしょうか?
次回も楽しい記事を探してきますので、どうぞお楽しみに。
探偵稼業まだまだ続きますよ、じっちゃんの、名にかけて!
PROFILE
氣駕マサヒコ
東京都出身。
1988年にイトキン株式会社に入社。販売から企画を経て、現在コーディネーターとして活躍中。楽しいトークが人気を呼び、全国百貨店を中心にトークショーを講演、テレビショッピング出演。
2024.02.01
2023.09.19
2023.09.05
2023.09.04
2023.08.28
2023.08.21
2023.08.21
2023.08.14